

信頼を築くカウンセリングと治療計画の流儀
株式会社メディカルフォースでは、美容クリニック経営のヒントとなるセミナーを開催しています。 2024年10月2日(水)に開催したセミナー「信頼を築くカウンセリングと治療計画の流儀」では、赤坂ステラクリニック院長の柳下 悠先生をお招きし、患者様との信頼構築につながる、カウンセリングや治療計画の方法について伺いました。

赤坂ステラクリニック 院長 柳下 悠先生
2005年に東京医科大学 医学部卒業後、東京医科大学病院形成外科入局。形成外科医として関東中央病院形成外科にて臨床経験を積んだ後、2015年銀座美容外科クリニックへ入職。美容医療全般を学び、美容皮膚科医としての研鑽を重ねる。その後、都内美容クリニック院長を経て、2021年赤坂ステラクリニックを開業。
赤坂ステラクリニックの「理念」
―クリニック経営において、特に大切にされていることをお聞かせください。
柳下先生:医療として不適切なことは絶対に行わない、売上のために不必要な治療をすすめることも決してしないという方針を徹底しています。美容外科であっても、あくまで医療は医療です。患者様が目指す方向への最短のアプローチを提案し、さまざまな治療について副作用まできちんと説明してから、患者様に決めていただくようにしています。
最終的に対価はいただきますが、治療をおすすめする段階では、お金のことは全く考えずに、「その方がどうやったら幸せになれるのか」を考えています。
実際に治療を受けていただいた患者様たちには「私の目と手がしっかり動くうちは、死ぬまで拝見します」とお伝えしております。そういった安心感があるからこそ、多くの方が継続的に任せてくださるのだと思います。
―先生の思いをスタッフの方と共有するために取り組んでいることはありますか?
柳下先生:私の治療方針を積極的に伝えるようにしています。複雑な治療に関しては独自の指示書を作成し、細かく書き込みをして伝えています。また、私の施術に入ってもらったり、一緒に治療をしたりすることで、私が目指す治療のイメージを共有するようにしています。
―SNSでの情報発信にも力を入れられていますが、どのような点を意識されていますか?
柳下先生:ご覧になった方が美容医療の正しい知識を身につけられて、より良い治療を受ける基礎となるよう意識しています。もちろんマーケティングは大切ですが、優先事項ではありません。
Instagramは開業前からずっと続けています。美容医療は情報が少なく、残念ながら安さに惹かれて来院したところ、高額な治療をすすめられるといったケースもあります。正しい知識を持っていれば、治療内容や費用が適切かどうかが判断できます。
Instagram以外に、オンラインサロンを運営しています。Instagramのフォロワーの方の増加に伴い、いただく質問の量が大きくなりすぎたので、DMでのお問い合わせへの対応をやめました。その代わりに、深く知りたい方に向けてオンラインサロンを開設し、細かい治療の説明やキャンペーン、それぞれの施術の違いなど詳しくお伝えしています。
―情報発信をすることで、どのような効果があったのか教えてください。
柳下先生:開業する前にSNSのフォロワーの方と信頼関係ができていたので、ありがたいことに予約をスタートしてすぐにお断りせざるを得ないくらいたくさんのご予約をいただきました。
また、クリニックの治療方針やメニューの内容などを理解したうえで来院くださる方が多いので、診察や説明、治療もスムーズです。
―赤坂ステラクリニックでは、医師が必ずカウンセリングを行うと伺っています。その背景はどのようなものなのでしょうか?
柳下先生:医師が診断したうえで、患者様の状態に合わせて必要な治療をおすすめしたり、選択肢を提示したりすることがとても重要だと考えているからです。
カウンセラーがいるメリットも多く、特にクロージングには有効です。しかし、営業的な側面が強くなり、インセンティブ制度を設けることになります。その結果、カウンセラーは患者様に良い治療をおすすめしたいという気持ちはありつつも、どうしても利益を意識してしまうと思うんです。
私が説明して資格を持った看護師がサポートする体制だからこそ、常に患者様にとって最善の治療をおすすめできると考えています。
―診察のなかで美容医療以外のコスメや肌悩みのご相談も受け付られている背景を教えてください。
柳下先生:人生のなかで、美容医療に通える日数や回数は限られています。日々のスキンケアや洗顔の仕方など、毎日の習慣が肌を変えていくと考えていますので、スキンケア指導も重視しています。その方の肌状態に合った製品選びや使用方法まで、全て医師が判断して細かくお伝えするようにしています。